カジュアル面談は「この人たちと働きたいか」と見定められる場である

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会社で、ひょんなきっかけで夏頃からマネージャーを務めることになり、その頃からチームメンバーの採用活動に勤しんでいる。具体的には、新たに迎え入れるチームメンバーの採用方針を人事担当のメンバーと一緒に考えたり、ポジションに応募いただいた候補者の方々の面接をおこなったりなどしている。採用活動は初めてのことだらけで、当然のことながら奥が深く、とても難しい。

書類選考から始まる本格的な選考フェーズに入る前に、「カジュアル面談」というものがある。ITベンチャー、スタートアップ界隈から広まりだした文化かとは思うが、業界問わず、転職市場ではもうわりとお馴染みかもしれない。カジュアル面談は、正式に採用試験に応募する前の段階で、お互いのことを知るための機会として設けられる。「面接」ではなく「面談」なので、終了後に合否判定はない。フォーマルな面接に対して、カジュアルな面談、ということ。

ポジションに興味を持ってくれた人に対して、たいていはその会社の人事や採用面接官を務めるチームメンバーやマネージャーが出席し、チームの状況や仕事の内容、会社のカルチャーや雰囲気などについてお伝えをする。面接ではないので根掘り葉掘り聞くことは少ないと思うが、会社側からも候補者に対して雑談も交えながらその方について質問を投げかけることもある。

ググると「『カジュアル面談』と聞かされていたのに、実際に行ってみると面接みたいなことが始まった」とか「終わった後に合否を伝えられた」などの似非カジュアル面談を除き、概ね上記のような形で行われているケースがほとんどなのではないかと思う。

「この人たちと一緒に働きたいか?」と見定められる場である

候補者の方々は、カジュアル面談を経て、その後本格的にポジションにエントリーをするかを選ぶことができる。実際、僕らが行っているカジュアル面談でも、面談の終了間際に「もし、今日のお話も踏まえてご興味があるようでしたら、ぜひエントリーをお願いします」というような案内をする。

これはつまり、面接として会社側が候補者を「自社にマッチする方かどうか」を見る以前に、候補者側から「その会社で働きたいかどうか」を審査されている状況とも言い換えられる。もっと細かく言うと、「カジュアル面談で話した人が同僚として存在する会社で働くイメージが描けるか」をシビアに見定められているとも言える。

カジュアル面談をして、ちょっとでも「この人、なんか嫌な感じだな」とか「ちょっと鼻につく喋り方をしてくるな」などとネガティブな印象を持たれてしまった場合、そこから本格的にエントリーに進んでもらえる可能性は低いだろう。どれだけ魅力的な待遇でも、ホワイトな社風でも、伸びているプロダクトでも、同じチームで働くメンバーがイヤな奴であることが確定していたら、自分なら一緒に働きたいとは思わないからだ。

こういうふうに考えていくと、「カジュアル面談」という、なんとなく軽い、お気楽なラッピングで装飾されたワードではあるが、「面接に進むかどうか」という最初の関門をくぐれるかどうかのシビアな場であることが分かる。何回かカジュアル面談を実施した後、「これはちょっと思っていたより大事な仕事だぞ...」ということに気づき、ちゃんとスタイルを考えることになった。

誠実に対応し、「悪くない時間だったな」と思ってもらえるようにする

とはいえ、カジュアル面談の時間はだいたい30〜45分程度で時間もそこまでたくさんあるわけではないし、こちらから発するメッセージもある程度限定されてくる。

そんな中で、こちらができることとしては、まずは誠実に対応することだと思う。会社の実情について包み隠さずオープンに話す、質問されたことについてはごまかしたりせず誠心誠意本音で答える、といったような、シンプルにして最も大事なこと。これを常に意識するようにしている。

また、オンラインのカジュアル面談だとよくありがちだと思うが、「なにか同時に作業をしながら面談をしない」というのも心がけている。対面ではないからと、モニターに別のアプリを立ち上げてメッセージを打ち返したり、仕事をしたりすることもできはするが、別のことにコミットしていたり、上の空になっている感じは意外と相手に伝わるものだ。そうなった時点で、「あっ、あんまり興味ないんだな......」と思われてしまう恐れもあるし、貴重な時間を割いて話をしてくれる相手に対して、シンプルに失礼でもある。

同じだけの時間を使ってその場にいるのは、こちらもそうだが、当然候補者の方もそうである。関係性は、あくまでフラット。そこを履き違えないということ。

このあたりのことを心がけながら、ある程度しっかり心を開いてオープンに会話をし、相手に対しても関心を寄せ、可能であれば軽くボケたりして笑ってもらうくらいの感じがベストかなと思っている。それはカジュアル面談以前に、僕が初対面の人と接するときにそういうコミュニケーションのあり方がよいな、と思うものと等しい。そうすれば、エントリーに進むかはさておき、少なくとも「話せていい時間だったな」とは思ってもらえるのではないかと思う。

幸い、いままでカジュアル面談を実施してきた方々からは、その後に本格的にエントリーに進んでいただく割合は結構高く、その関門をクリアしてもらえるだけの努力は実っているのではないかと思う。カジュアル面談についてはそんな感じです。

shimotsu

shimotsu

1993年、鹿児島県霧島市生まれ。Webディレクター、Webフロントエンドエンジニア等を経験し、現在はBtoB SaaS企業でカスタマーエンジニアとして働いている。二児の父。趣味は釣り、アメフト観戦、格闘技観戦。

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