大学の奨学金の返済が完了した

shimotsushimotsu
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先日、自宅のポストに日本学生支援機構からの1通のハガキが届いていた。

日本学生支援機構といえば、知っている人は知っているが、幸運なことに知らない人は見たことも聞いたこともないだろう。いわゆる、「奨学金事業」で有名な独立行政法人だ。

奨学金を借りずに学校に通うことができればそれが最も幸せなことではあるが、あいにく実家はそこまで裕福ではなく、高校や大学の学費をポンと出せるほどの経済力はなかったため、僕は高専入学時から大学卒業までずっとここにお世話になっていた。延べ7年間、毎月一定額を借り、それを学費に充てて学校に通っていた。

7年間も毎月数万円を借りていたので、社会人になる頃には当然ながら負債もそこそこ大きくなる。同じように、大学卒業時に日本学生支援機構から通知されたハガキには、ここから10数年の社会人生活のなかで返済すべきトータルの額が「252万円」とはっきり記されていたことを覚えている。社会人1年目にしてマイナス250万円からのスタート。私立の大学や、医学系の大学に通っていた人ほどではないにせよ、3桁万円クラスの借金を背負って社会人生活が始まるのは、なかなかのヒリヒリ感があった。

毎月の返済額は約18,000円。刻んだ額にしてみればそこまでのインパクトはないものの、今よりずいぶん収入も少なかった新卒の頃に毎月2万円弱を払い続けるのはそう簡単なことではない。毎月月末に銀行口座から引き落とされる返還金の履歴を見て、「これがあったら○○ができたのに......」と何度思ったことか。それだけならまだいい。「この額を払うのが厳しいということは、そもそも大学を出た意味がないのでは...?」と自分の不甲斐なさを嘆いたり、奨学金を使わずに大学卒業できた、いわゆる「実家が太い」人に対して言葉にするのも憚られるようなどす黒い感情を抱いたことも少なくなかった。

もう感覚的にはほとんど税金と一緒で、「家賃」「水道光熱費」「奨学金」は長らくセットの固定費として勘定に入れていた。あるときを境にそこまで支出として意識することはなくなったが、それでも毎月じわじわとボディブローのように銀行口座のHPを削り取っていく。18,000円は普通の社会人にとって、決して高くはないが、安くもない。

そんな感じで、それでも毎月歯を食いしばりながら返還を続けてきたが、大学卒業から10年弱が経とうとしている今日、日本学生支援機構からのハガキが届いていた。それが冒頭に書いたものだ。おそるおそる開くと、大学時代の奨学金を支払い終えたとの通知だった。

パソコンやスマホのショッピングローンや、カーローンを支払い終えたのとは、少しワケが違う。というのも、日本学生支援機構の場合は「リレー口座」といって、自分が返還したお金がそのまま次代の若者の奨学金に充てられるという仕組みになっているからだ。つまり、上の世代の学生がちゃんと返還義務を果たしてきたからこそ、借りられた奨学金なのである。そういう背景もあって、現役時代から、奨学金の返還は自分一人だけの問題ではなく、連帯的な問題であるとしっかりと責任感を叩き込まれる。

そのため、シンプルに毎月の返済額が減ってうれしいという感情と同じくらい、奨学金を借りた身として背負うべき責任をしっかり果たせたという安堵感がある。

毎月口座の履歴で見ていた「ニホンガクセイシエンキコウ」はときに憎い存在ではあったが(だいたいいつもそうだったが)、それがないと満足に大学に通うこともできていなかったはずなので、もちろん感謝もしている。まだ、高専時代の分が残っているので完済はしていないが、一旦今の思いを書き記しておく。「あざした、クソ長かったな」。

shimotsu

shimotsu

1993年、鹿児島県霧島市生まれ。Webディレクター、Webフロントエンドエンジニア等を経験し、現在はBtoB SaaS企業でカスタマーエンジニアとして働いている。二児の父。趣味は釣り、アメフト観戦、格闘技観戦。

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